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若い移住者が盛り上げる、日本のヴェネチアを旅する【伊根町】

京都の北にある観光地と言えば?

多くの人が思い浮かぶのは、日本三景の一つに数えられる、天橋立だろう

だがしかし、そこからわずか30分ほどのところに、令和になってから注目を集めている町があるのをご存じだろうか。

それこそが、東洋のヴェネチアと称される、伊根町である。

舟屋と呼ばれる、船着き場と民家が一体となった、この町独自の建物が並ぶ景色はまさに圧巻だ。

今回は、そんな伊根町を探検した一人の旅人の記憶を辿ろう。

バブルの遺産ではない、令和流の観光地化

とある日曜日、私はこの地に降り立った。

高台から眺めると、日本海の湾に添って、舟屋が2kmにわたりズラッと並んでいる。

実際に町に降りて散策してみると、驚いたのはその水質だ。日本海とは思えないほど穏やかで、透き通った海。太平洋とは違う、奥ゆかしい海風。

今まで画面の中で眺めていた舟屋を実際に目で見ると、建物から醸し出される、この町で生きた漁師たちの歴史がありありと浮かんできた。

ある舟屋に入り、ゆっくりと海を眺める。薄暗い舟屋から眺める海はよりキラキラと輝いているように見えた。

駐車場から出発する遊覧船に乗る。海から先ほどの舟屋を眺めると、温かくこちらに手を振る人々の姿があった。船の上からかっぱえびせんを放り投げた。カモメたちが周りに集まり勢いよくそれをキャッチする。

自然、風景、ほどよい人の少なさ。すべてが絶妙に合わさって、この町の素晴らしさを実感させる。

しかし、実際に足を運んで一番驚いたのは、

令和のトレンドを取り入れた、スタイリッシュなお店が多いことだ。

例えば「INE Cafe」では、伊根町のオーシャンビューを全面窓から眺めながら、リーズナブルでおしゃれなドリンク、デザートを楽しむことができる。

また、「hakuzu coffee stand」では、東京のバリスタ顔負けのコーヒーを、向かいにある舟屋に座りながら堪能することができる。

さらに、道沿いには、ホットドックやアサイーボウルを売るキッチンカーが停まっており、若いパワーをひしひしと感じた。

元ブレイクダンサーだという、遊覧船「Re:INE」のキャプテンに聞くと、この伊根町では若い移住者が地域を盛り上げているらしい。

日本の観光地というと、良くも悪くも、バブルの遺産がそのまま残っているという印象があった。

しかし、この伊根町は違うと断言できる。

ノスタルジーと現代のトレンドがうまく融合し、

これぞ令和の地域共創のモデルケースであると感じられた

この場所は、10代、20代の若者にこそお勧めしたい。

きっと、国内旅行で味わったことのない感動を覚えるだろう。

旅行の際のアドバイス

舟屋街にある駐車場は料金がかかるが、道の駅と、その近くにある舟屋公園の駐車場では無料で駐車ができる。舟屋街を上から眺められる展望台もあるのでお勧め。

17時を過ぎると、ほとんどのカフェやお店が閉まる。午前中から午後にかけての散策がオススメ。

*2025年6月時点の情報です。

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